一番茶摘採残葉の多少が夏期の樹体内窒素および新芽の成分に及ぼす影響
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概要
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一番茶摘採後に残存する新葉の多少が夏期の窒素吸収,樹体内窒素含量の変化および新芽成分に及ぼす影響を明らかにするため,成木園に準じて樹型を整えた3年生茶樹を用いて,一番茶摘採期から三番茶摘採後にわたって調査した。<BR>(1) 樹体内窒素含有率は,地下部ではほとんど処理間差はみられなかったが,地上部では残存新葉の多い区ほど高く推移した。<BR>(2) 二番茶の萌芽期から摘採期にかけての葉における窒素の含有率および含有量は,残存新葉のほとんどない新葉摘除区は急激に低下したが,新葉を残した深摘み区および浅摘み区ではほぼ横ばいで推移した。<BR>(3) 新葉摘除区の葉を除く全ての器官の窒素含有率は,一番茶摘採期から二番茶萌芽期にかけて最も高かったが,二番茶摘採期には逆に最も低くなった。含有量については,一番茶摘採期から二番茶萌芽期にかけて枝,幹,太中根で最も多かったが,二番茶摘採期には最も少なくなった。<BR>(4) 全期間の窒素吸収量については,処理間差は明らかでないが,新葉摘除区がわずかに劣る傾向がみられた。<BR>各期間内の吸収量については,処理間に明らかな差異はみられなかった。<BR>(5) 新芽成分に及ぼす影響については,二番茶の全アミノ酸含量は残存新葉の多い区ほど多かったが,全窒素含有率は逆に残存新葉の少ない区ほど高い傾向がみられた。三番茶では新葉残存量との間に一定の傾向はみられなかった。
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