茶樹の年間生長に伴う内生生理活性物質の変動
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概要
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新芽及び新梢を年間を通してほぼ毎月1回採取し,60%メタノールで抽出し,エチルエーテルで分画し,中性及び酸性分画を得た。これらをそれぞれ,シリカゲルのカラムクロマトグラフィーで分離精製した後,レタス胚軸伸長テストで各溶出区の活性を測定した結果,中性及び酸性分画で少くとも2種類ずつ生長抑制区が得られ,そのうち,中性,酸性の両分画ともメタノール10〜50%溶出区は新芽または新梢1本当りでも1g生重量当りでも茶樹の生長,生長停止,休眠,休眠打破と密接な平行的変動を示した。残りの溶出区は本数当りのみ強い相関性を示した。また,休眠期においては,まず若い新梢で生長抑制物質の増量がみられ,次いでその下の古い新梢で増量するといった傾向がみられ,生長抑制物質が新芽及び若い新梢で合成され,それが下方へ移動するといった可能性が考えられる。また,新芽が生長する場合,その母枝に含まれる生長抑制物質の減少がみられたが,最下部(一番茶新梢)では殆んど減少しなかった。
- 日本茶業技術協会の論文
著者
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長谷川 宏司
鹿児島大・教養・生物
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長谷川 宏司
鹿児島大学教養部
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関谷 直正
農林水産省茶試枕崎支場
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池田 栄美子
鹿児島大学,教養部,生物学教室
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是枝 正弘
鹿児島大学,教養部,生物学教室
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長谷川 宏司
鹿児島大学,教養部,生物学教室
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関谷 直正
農林水産省茶業試験場枕崎支場
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