乳酸菌スターターを使用した熟成させないピックルチーズの製造
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概要
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Pediococcus soyaeは好塩性の乳酸菌であつて醤油の特有な香気物質の生産にも関係するといわれており,BERGEYS Manualによるとジアセチル生産性のものも少なくないという.本研究においてまず醤油の諸味から分離されたPedioc. soyae 8菌株についてくえん酸発酵性を調べた結果6菌株が陽性であることを認めた.一方,乳業用Lactobacillus属およびStreptococcus属乳酸菌についてその食塩耐姓について試験した結果,最も耐性の強いものとしてStr. lactis 2菌株を選んだ.次にStr. lactisとPedioc. soyae各1菌株を含むスターター12種類を調製し,全乳に食塩を4,6または8%添加したものを材料として熟成させないピックルチーズを製造した.その結果,スターターを2%添加すると製造中にカードが溶解してしまい,製品を得ることができないが,1%の場合には良好な製品を得ることができた.食塩濃慶の影響については4%の全乳への添加が製品の収量,組織ともに優れており,また塩味も温和であり日本人の好みに合つた製品を得ることができる.製造直後および密封して4°Cに1週間貯蔵後のジアセチルおよびアセトイン含量をジアミノベンジジン法によつて分析した結果はPediococcusとしてPedioc. soyae IAM1673を含むものが貯蔵中に著しい増加を示した.
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