豚の各消化器官における酸化クロームおよびポリエチレングリコールの滞留時間と消化吸収率
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概要
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小腸の3部位にフィステルを装着した子豚を用いて,各消化器官における酸化クロームおよびポリエチレングリコール(PEG)の滞留時間と消化吸収率を測定した.飼料は,離乳用後期飼料(A)と子豚用慣用飼料(B)で,給与量は体重の4%として,毎日一回午前9時に与えた.1. 胃よび十二指腸においては,酸化クロームは乾物と同様の動きを示し,飼料Bの場合,給与量の50%が通過するのに4〜7時間を要した.PEGは酸化クロームより速く通過した.2. 小腸における滞留時間は,飼料AとBで,それぞれ,3.40および3.17時間,また,腸管全体では,それぞれ,39.7および28.2時間となり,指標物質間には差が見られなかった.3. 飼料Aの場合,主として大腸における滞留時間が長くなったが,これは,飼料Aの消化性がよいため,飼料Bに比較して腸管内容物の通過量が少ないことに起因すると推察された.4. 酸化クローム法による消化吸収率では,十二指腸までは,乾物,粗蛋白質および灰分で負となり,小腸末端まででは,乾物,粗蛋白質,粗脂肪および可溶性無窒素物における全体の可消化量の80%以上が吸収され,粗せん維は主として大腸で消化吸収された.
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