蛋白質飼料における豚小腸末端での粗蛋白質およびアミノ酸消化率の回帰による測定
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概要
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豚の小腸末端における粗蛋白質(CP)およびアミノ酸の真の消化率を回帰によって測定する方法について検討した.小腸末端へのカニューレ装着子豚6頭を用い,飼料は1日に体重の4%を8時間間隔の3回に分与し,酸化クロム法によって小腸末端での消化率を測定した.実験1では,CP16%の飼料を用い,小腸内容物の採取時刻がCP消化率におよぼす影響を調べた.実験2では,トウモロコシとコーンスターチを主体とする基礎飼料およびこのコーンスターチの一部を,大豆粕,カゼイン,魚粉あるいは綿実粕で3水準ずつに代替した合計13種類の飼料を用いた.それぞれ4日間連続して与え,後の3日日間の午後1時〜2時に内容物を採取して,CP消化率の日間変動を調べるとともに,各蛋白質飼料のCPおよびアミノ酸の消化率を回帰による方法で求めた.1)CPの消化率には小腸内容物の採取時刻による差はほとんどなく,採取を1日の一定時刻に限定できることが示唆された.2) 実験2の結果から,CP消化率は飼料切換後2日以内に一定値に達するものと判断された.3)必須アミノ酸の平均消化率は,大豆粕86,カゼイン98,魚粉96および綿実粕80%であった.アルギニン,リジン,フェニルアラニンの消化率は比較的高く,スレオニンの消化率は低かった.4) 蛋白質飼料における豚小腸末端でのCPおよびアミノ酸の真の消化率は,回帰による方法で比較的簡易に測定できることが判明した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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