実際的飼養条件下における肉豚後期のリジン要求量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
肉豚後期(体重58〜92kg)におけるリジン要求量を,不断給飼,群飼の実際的飼養条件下で測定した.反応指標には,窒素蓄積,1日増体量および飼料要求率を用いたが,窒素蓄積はカリウムを指標物質とする窒素出納法によって測定した.玄米と大豆粕を主体とし,粗蛋白質,リジンおよび可消化エネルギーがそれぞれ12.8%,0.61%および3043cal/g含む基礎飼料とこれにL-トレオニンおよびDL-メチオエンをいずれも0,1%加え,さらにL-リジン塩酸塩を段階的に添加して,リジン含量を0.61,0.69,,0.77および0.85%とした4種類の合計5種類の飼料を供試した.基礎飼料を除く全ての飼料でリジンが第1制限アミノ酸であった.平均初体重58kgの雌豚10頭を1群2頭の5群に分け,1期7日間の5期間を設けて,5×5のラテン方格法によって試験を実施した.試験結果はつぎの通りであつた.1) 窒素蓄積,1日増体量および飼料要求率は,いずれも飼料中リジン含量が0.77%まではリジン含量の増加に伴って改善されたが,0.85%ではそれ以上の改善はみられなかった.2) 各反応がプラトーに達する点を折れ線モデルに当てはめた結果,リジン要求量の推定値は窒素蓄積,1日増体量および飼料要求率で,それぞれ,0.75,0.75および0.72%となった.3) 増体1kg当りのリジン要求量は19.5gと推定された.4) カリウムを指標物質とする窒素出納法は,不断給飼,群飼の実際的飼養条件下でのアミノ酸要求量を推定する上で有効な方法であることが確かめられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- 肥育豚における静脈内へのエピネフリンの単回負荷による体脂肪動員の評価
- 高温環境と飼料への油脂添加が肥育豚の体脂肪の脂肪酸組成に及ぼす影響
- 54 カンショの切葉法による光合成測定法の検討.
- 肥育豚における静脈内へのエピネフリンの単回負荷による体脂肪動員の評価
- 飼育技術からの畜産環境対策
- フィターゼ添加飼料による豚の亜鉛排泄量削減の可能性
- 飼料学(29)5.産業動物--3.単胃動物(4)
- 飼料学(27)5.産業動物--3.単胃動物(3)
- 経産豚における妊娠期および授乳期のリジン要求量
- 養豚の経営実態にそくしたアミノ酸要求量の算出と飼料配合設計