豚小腸液を用いる人工消化試験における実験室間差および小腸液採取豚への給与飼料の質の影響
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概要
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豚小腸液を用いる人工消化試験(in vitro法)によって測定した人工消化率の実験室間差および小腸液採取豚に給与する飼料の質が人工消化率におよぼす影響について検討した.1) 豚用の配合飼料AおよびBを豚小腸液の凍結乾燥品とともに5つの実験室に配付し,各実験室でin vitro法の実施要領に基づいて乾物および粗蛋白質(CP)の消化率を測定した.その結果,人工消化率には有意の実験室間差が認められ,乾物およびCPの消化率の実験室間差は,消化率単位としてそれぞれ最大2.7および5.0であった.このことは,未知試料の人工消化率を実験室間で比較する場合には,いくつかの共通した試料を同時に測定しこれらの値によって未知試料の消化率を標準化する必要のあることを示している.2) 空腸上部にカニューレを装着した子豚6頭を用い,3種の飼料,すなわち,基礎飼料(CP19.2%),コーンスターチ20%飼料およびカゼイン10%飼料を給与し,採取した小腸液によって飼料AおよびBの乾物およびCPの人工消化率を測定した.その結果,小腸液採取豚に給与した飼料の種類によって小腸液活性に有意の影響は認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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