子豚における可消化リジン要求量
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概要
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子豚の可消化リジン要求量を, 体重5〜10kg (1期), 10〜20kg (2期), 20〜35kg (3期) および45〜60kg (4期) の4期間について, 1日増体量を指標として, 折れ線モデルへのあてはめによって推定した. 各期において, 可消化リジン含量を段階的に高めた5種類の飼料を給与したが, リジンを除くすべての必須アミノ酸についてはARCの推奨するアミノ酸バランスを満足するように配慮した. 基礎飼料のリジンの真の消化率は, カニューレ装着豚を用いて小腸末端で測定したが, 基礎飼料に添加したカゼインおよび大豆粕のリジンの真の消化率は文献値によった. 飼料中の可消化リジン含量は, 1期および2期0.83-1.81%, 3期0.51-1.13%および4期0.35-0.97%であった. 得られた結果は次の通りである. 1) 1日増体量は, 飼料中の可消化リジン含量が増加するにつれてある程度まで高まったが, 可消化リジン含量が最高の場合には, 4期を除くすべての期間で低下する傾向がみられた. 2) 飼料中含量としての可消化リジンの要求量は, 1, 2, 3および4期で, そ れぞれ, 1.24, 1.38, 0.72および0.63%, また, 増体kgあたりの可消化リジン要求量は, それぞれ, 17.8, 17.5, 15.6および18.29と推定され, 平均17.39となった. 3) この結果から, リジン要求量は, 増体あたりにすると, 1日増体量や子豚の体重あるいは日齢にかかわらず一定値を示し, また, 維持のためのリジン要求量は無視しえるほど少ないことが示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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