現実脱感作法による社会的ひきこもり生徒の外出行動形成への援助
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概要
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中学生男子社会的引きこもり児N (14歳)への外出行動を目的とした援助について検討し問題点を整理した。本事例は、 6ケ月間家庭内に引きこもっていた。Nの対人関係困難場面からの回避行動を周囲の人が強化的対応をしてしまったことにより、引きこもり状態が誘発されたと考えられた。そして、Nが家庭に滞留する行動が、母親からの世話やき、ファミコンゲームといった強化刺激が伴うことにより維持されていると分析された。Nへの援助として、現実脱感作法を適用し4期間(6ケ月間)、電話指導、家庭訪問、外出援助、通室援助、母親指導の結果、通室行動が形成された。通室行動形成と家庭における滞留パターン維持要因除去の同時実施が有効であったといえよう。社会的ひきこもり事例の場合、行動アセスメント項目として、対人関係における正・負の要因、外出行動レパートリーに関する情報を収集することの有効性が示唆された。
- 奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センターの論文
- 2002-03-31
著者
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