生活習慣改善による男子中学生不登校への再登校援助
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概要
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男子中学生の断続的不登校A (13歳)へ継続的再登校行動形成を目的とした援助を実施した。本事例は、不登校に至る発現要因として、腹痛等の体調不良が考えられた。不登校誘発・維持要因としては、家庭における休ませ方が考えられた。そして、家庭に滞留する行動が、母親の世話やきといった強化刺激が伴うことにより維持されてしまったと分析された。Aへの援助として、自己記録法による生活習慣改善(運動、食事、排泄)、系統的脱感作法による不安低減、段階的登校練習、家庭・学校へのAへの統一した対応のための助言を実施した。 2期(2ケ月間)の援助の結果、継続的再登校行動が形成された。再登校後、 1年4ケ月間の予後良好であった。 Aの生活習慣改善と家庭、学校が各役割を実施し有機的に連携したことが有効であった。身体的要因と関連が深い不登校の場合、日常生活の基礎的な事柄のアセスメントの重要性が示唆された。
- 奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センターの論文
- 2002-03-31
著者
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