中学生に対する集団社会的スキル訓練
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概要
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本論文の目的は、先行研究の少ない中学生を対象とした集団社会的スキル訓練を実践し、新たな研究知見を積み上げていくとともに実践者にとって参考となるような実践的知見を提供すること、そして統制群を設定することなしに研究の内的妥当性を高めることができる新たな研究デザインを提案することであった。訓練には中学2年生3学級83名の生徒が参加した。「挨拶」「授業場面での話の聴き方(生徒には「心に残る聴き方」と呼称)」「会話場面での話の聴き方(生徒には「積極的な聴き方」と呼称)」を目標スキルとした3回の授業を行った。目標スキルの測定には自己評定尺度を用いた。本実践では、訓練導入前の状態を従来のように1時点だけで測定するのではなく、複数回にわたって測定した。さらに、目標スキルごとに訓練を開始する時期をずらすことで、訓練の時期と対象とするスキルの変化の時期が一致することを確認し、スキルの変化が訓練の効果であって他の要因によるものでないことを確かめた。その結果、「挨拶」と「心に残る聴き方」に訓練効果を見出した。最後に、方法論的および実践的観点からの課題を示した。
- 奈良教育大学教育学部附属教育実践総合センターの論文
- 2006-03-31
著者
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