視覚障害乳幼児の対象の永続性概念発達 : 一事例研究
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概要
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生後8ヶ月から14ヶ月までの視覚障害乳幼児における対象の永続性概念が縦断的に調べられた。Fraiberg(1977)の記述と同じように,視覚障害乳幼児の永続性概念技能の発達は晴眼児の発達よりも遅れることが見いだされた。この結果を説明するために,乳児における対象の永続性概念形成についてのモデルが提案された。モデルは2つのループから成り立っている。一つめのループBでは,誘因になる知覚刺激が行動を生み出す。もう一つのループAでは,その行動が対象への表象を作り出す。そして,作り出された表象は,次の行動を引き起こすようになる。2つのループの回転が乳幼児の外界への積極的探索の増加を生み出す。最後に早期失明児の対象の永続性概念獲得を検討する課題の特性についての問題点が指摘された。The development of object permanence skills of a visually impaired infant from 8 to 14 months was examined longitudinally. The result was the same as described by Fraiberg (1977), and indicated the development of object permanence skills in blind infants was slower than that of sighted infants. A model of object permanence skills was suggested to explain the result. In the case of Loop-B of the two circulatory loops, perceptual stimuli lead an infant's behavior out. In the case of Loop-A, an infant's behavior creates hisher object schemata, which also lead out the infant's behavior. The circulation of those two loops encouraged active behaviors toward the object around a visually impaired infant. Some problems in performing object permanence tasks were also discussed.
- 大阪教育大学教育学部障害教育講座の論文
- 2006-12-25
著者
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