GISによる視覚障害者歩行環境の記述(1)

概要

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視覚障害者の移動する領域の道路に歩きやすさ得点をつけ,それを地図に表記し,地図を見た晴眼者が歩きやすい道を指導できるようにする方法を検討した。地図の表記方法としてGIS (Geographical Information Systems:地理情報システム)を使用した。まず,白杖歩行で通勤している6名の視覚障害者に20項目から成る質問を4件法でおこなった。この調査に基づき視覚障害者用道路評価システムを作成した。つぎに,このシステムを使って視覚障害者の歩きやすい道に関する点数化をはかり,GISのデータベースにそれを加えた。最後に,道路評価システムからの点数化の妥当性を検証した。白杖を使う8名の視覚障害者がそれぞれの道を歩いた後に,それぞれの道の歩きやすさを評価した。その評価得点と道路評価システムによる評価得点とのずれが検証された。その結果,道路評価システムによって作成される「視覚障害者の歩きやすさ地図」は客観性を備えた道路評価システムであり,実際の移動しやすさを予測するものとしての妥当性があることが示された。予測の限界とシステムの改善点とGISの積極的な利用が考察された。
2006-09-29