〈資料〉２０００年における全国視覚障害者更生施設入所者の実態調査

概要

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2000年7月に､全国視覚障害者更生施設14施設に入所している視覚障害者920名に対して視覚障害原因等の質問紙調査を実施し､12施設749名の回答を得た(回収率81.4%)｡更生施設入所者は20歳代から50歳代が中心で､男性が75.2%を占め､障害等級では1･2級が74.4%であった｡重複障害者の割合は13.2%で､漸次増加している｡10歳代および20歳代では先天性の障害を持つものが多く､一方､30歳代以降は中途視覚障害が多かった｡また､全体の約半数が身体障害者手帳交付後2年以内に更生施設に入所していた｡視覚障害原因は､先天素因(36.6%)､原因不明(25.9%)､全身病(23.6%)､外傷(5.3%)､腫瘍(4.1%)､中毒(3.1%)､伝染性疾患(1.3%)の順に多かった｡眼疾患の部位は､網脈絡膜疾患(57.7%)､視神経視路疾患(17.0%)､眼球全体(14.4%)､ぶどう膜疾患(6.0%)､水晶体疾患(2.8%)の順であった｡視力分布は､入所者のおよそ3人に1人が0.02未満で､3人に2人が0.02以上であり､点字使用者が26.2%､普通文字使用者が54.5%､併用者が6.8%､録音機器活用者が8.4%であった｡視覚補助具を使用している入所者は450名で全体の60.1%であった｡
筑波大学心身障害学系の論文