イギリス視覚障害教育における教育改革構想としてのバーノン報告(1972年)に関する研究

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
イギリスでは、現在通常学校で学ぶ視覚障害児には、専門教員が配置されるなど、専門性が考慮されている。その背景には、1972年バーノン報告書があると考えられる。本報告書作成の背景としては、視覚障害児の減少から廃校に追い込まれる視覚障害教育学校の存在や、社会との分離への不満が障害児教育分野で高まりつつあったことが挙げられる。この状況に対し本報告書は、視覚障害児の教育を学校教育の改革に終始させる方向をとらず、就学前から卒業後までの一生涯を通した改革が必要であると方向性を掲げた。そしてそのために、教育、心理、医療、福祉の専門家及び関係者が集結し実態の分析を行なった。バーノン報告書の発行後、イギリスはインクルーシブ教育へと変化をとげる。しかし、バーノン報告書が、専門家による視覚障害の特性に立脚し、視覚障害教育の本質的な課題を明らかにしたことから、各方面の活発な議論を経て、視覚障害には特有なニーズがあるという共通理解が育っていったと考える。
障害科学学会の論文
2007-03-30

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク