1970年代イギリス視覚障害当事者組織ABAPSTASの創設とインテグレーション要求の本質
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概要
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ABAPSTASは、ミリガン、リード、及びロウをはじめとする視覚障害者によって高等教育機関に所属する視覚障害者の支援体制の確立を目的に創設された当事者組織であった。同組織創設の要因として三人が直面していた高等教育機関での支援体制の問題と、当事者運動が活発化していた当時の時代背景が挙げられた。またインテグレーション要求の背景には次の二点が挙げられた。一つは同団体の主張の根源には、当時の盲学校教育の質及び、三分岐型中等教育制度への不満があり、その解決手段として晴眼児と共に学ぶ、刺激的で、卒後に大学進学も選択できる総合制中学校で学ぶことが可能なインテグレーションを要求したことである。もう一つは社会的偏見に遭遇した当事者によって結成されたABAPSTASにとって、幼少期から晴眼児と視覚障害児が共通の場で学ぶインテグレーションはその解消手段と映ったことである。
- 2012-03-30
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