大学生の自己効力感およびソーシャルスキルがライフイベント体験に及ぼす影響 (伊藤幸雄教授追悼号)

概要

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本研究では、大学生の一般性セルフ・エフィカシーとソーシャルスキルの認知がライフイベント体験数に与える影響について、自己評定式質問紙調査をもとに検討を行った。まず、一般性セルフ・エフィカシーを測定するGSESとソーシャルスキルを測定するKiSS-18の2尺度を用いた探索的因子分析により、一般性セルフ・エフィカシーとソーシャルスキルの認知の区別を明確にした上で、因子分析で得られた因子とライフイベント尺度、および心理的ストレス反応度を用いた共分散構造分析を行った。その結果、因子分析では、自己評定式質問紙調査による一般性セフル・エフィカシーとソーシャルスキルの解釈を慎重に行う必要性が示された。また、共分散構造分析では、高い一般性セルフ・エフィカシーとソーシャルスキルの認知が、ポジティブライフイベントの増加、およびネガティブライフイベントの減少に影響し、その結果、心理的ストレス反応の低減につながることが示された。今後、不適応の大学生への介入を検討する際には、一般性セルフ・エフィカシーとソーシャルスキル両方の向上を目的とした介入プログラムを作成する必要性が示された。
2013-05-15