上海日系企業従業員の心理学的ストレス要因に関する研究:職種による分析 (伊藤幸雄教授追悼号)

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
本研究は、中国上海に進出している日系企業および関連する現地企業で就業する中国人従業員を対象に、職場における心理学的ストレス要因について、職種別に検討することを目的としたものである。中国上海市に所在する10社の中国人従業員369名を分析対象者とした調査の結果、1)総務・人事職は職場ストレッサーの自覚が低いこと、2)ソーシャルスキルの高い従業員が営業・販売職に従事している一方、量的負荷や対人関係のストレッサーを受けやすいこと、3)製造・生産職は、ソーシャルスキルが低く問題解決コーピングも少ないことから、量的負担に加え雇用に関する質的ストレッサーの自覚も高いこと、4)技術開発・生産管理職では、雇用ストレッサーを抱えながらも、問題解決コーピングの採択が高いことが示された。裁量権のある総務・人事職や専門性の高い技術開発職よりも、営業・販売職や製造・生産職の従業員の心理的ストレス反応の推移に今後注意を払うべきであろう。
2013-05-15

著者

関連論文

もっと見る

スポンサーリンク