教師としてのアイデンティティを軸とした実践的知識に関する実例研究 : ナラティヴ・アプローチに基づいて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
現在、授業研究では、授業を教師のパースペクティヴから捉え、その実践経験の意味を探求することが主題化されてきている。この授業研究における新しい動向の焦点の一つが、教師の実践的知識である。実践的知識には、教師としての自己をどう認識し価値づけるかというアイデンティティにかかわる側面が見出せ、この側面を軸として実践的知識を探求することは重要な研究課題とみなせる。本稿では、ある高校国語科教師の授業の構想と実践にかかわる実践的知識について、教師としてのアイデンティティを軸に探求した事例研究の結果を示している。すなわち、アイデンティティを二つの異なる自己像の統合としながら、この教師の実践的知識におけるアイデンティティの側面を、授業をめぐる親和的統合、生徒との関係をめぐる受容的統合、教師役割をめぐる矛盾的統合という三つの様態、及びこれらを根本的に規定する実践テーマというカテゴリー間の関連を通して明らかにした。
- 日本教師学学会の論文
- 2004-07-31
著者
関連論文
- 教師の力量形成へのライフヒストリー的アプローチ : 遠藤瑛子実践の「授業スタイル」の変容
- 遠藤瑛子実践における単元生成の文脈 : 国語科教師の実践的知識へのライフヒストリー・アプローチ
- 遠藤瑛子実践における単元の生成過程 : 国語科教師の実践的知識へのライフヒストリー・アプローチ
- 遠藤瑛子実践へのライフヒストリー・アプローチ(新しい共同・協働研究のあり方とそこで取り組まれる研究課題)
- 看護に活かすナラティヴ・アプローチ
- 今宮信吾実践における相互批評を通した詩の授業の生成過程 : 個人誌的方法に基づいた国語教師の実践的知識形成に関する事例研究
- 国語科教師の実践的力量をどう育むか : ライフストーリーの視点から(テーマ:国語科教師の実践的力量をどう育むか(1)-ライフストーリーの視点から-)
- 教科内容観にかかわる国語科教師の実践的知識 : 詩の創作の授業を中心とした今宮信吾実践に関する事例研究
- 教育内容観にかかわる国語科教師の実践的知識 : 詩の創作の授業を中心とした今宮信吾実践に関する事例研究(自由研究発表,第110回 全国大学国語教育学会・岩手大会)
- カリキュラム経験による国語科教師の実践的知識の変容 : ナラティヴ・アプローチを軸に
- カリキュラム経験による国語科教師の実践的知識の変容 : ナラティヴ・アプローチを軸に(地域から照射することばの教育)
- ことばの学びと教育臨床研究 中学校における臨床国語教育研究--教師の授業実践経験へのナラティヴ・アプローチ
- 学習の個別化と共同化
- 学生の個別性をみがく看護基礎教育 : その可能性と限界
- 授業改革と教師の成長:教師の実践的知識と総合的学習に関する理論的知識の関連を中心に
- 文学テクストに対する小・中学生の読みの反応の発達(現代の言語環境と国語教育)
- 物語文の理解と記憶におけるメタ認知方略の効果と発達(これからの国語学力像を構想する)
- 授業構成にかかわる教師の実践的知識 : 二つの授業実践の意味づけと関連づけに基づいた実践的知識の物語的構造
- 国語教師の力量形成の過程--事例研究から (特集 国語教師力)
- 3 国語科授業構成にかかわる教師の実践的知識 : 二人の高校教師の比較による事例研究
- 学習の個別化と共同化
- 2 授業研究としての教師の実践的知識の探究
- 教室ディスコースのナラティヴ(物語的)な分析
- 授業構成にかかわる教師のディスコース : 教室ディスコースのナラティブな探究(1)
- 4. 国語科授業構成における教師のディスコース : 教師インタビューのナラティヴな分析
- 授業構成を説明するための構造派生モデル : 授業構成論研究(3)
- 「新しい文学教育の地平」に向けて(地域から照射することばの教育)
- 転換期における「国語」教育研究(III 私の抱負,第1部 回想と展望,50周年記念)
- 提案4 異質性を共に生きる社会的実践としての「国語」科教育(21世紀の国語教育を考える,夏期学会 第94回 東京大会)
- 5. 言葉をわかること、言葉という実践をすること
- 西尾実の行的認識の教育論の史的検討(現代の言語環境と国語教育)
- 5 西尾実の言語生活指導論の検討
- III-3 状況論的国語教育論 : 西尾実のばあい
- 《メタ言語能力》を育てる教材の開発(音声言語の教育をどうするか)
- 文学作品の指導における発問構成モデルに関する一考察 : 「共示義」に対応した解釈を促す発問について
- 教師としてのアイデンティティを軸とした実践的知識に関する実例研究 : ナラティヴ・アプローチに基づいて