説明に対するメタ認知能力を高めるための「不完全な説明」教材導入の試み
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概要
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教職大学院に在席する教師を対象とした「コミュニケーション・マネジメント演習」において,説明に対するメタ認知能力を高めるための教材として「不完全な説明」教材を導入した。「不完全な説明」問題に対する現職教師30名の解答を分析した結果,次の2点が明らかになった:1)教師と言えどもこうした説明の不完全さへの気づきは必ずしも十分ではない,2)「不完全な説明」の中でも,必要な情報の欠落や表現の曖昧さ(多義性)に気づくことが困難である。教師が生徒の批判的読解力を伸ばす指導を行うための前提として,説明に対するメタ認知能力を高める効果的な取り組みが教師教育において必要と考えられる。そのためには,「不完全な説明」を教材として用い,説明の不完全さを指摘するといった演習を行うことも1つの方策として考えられる。
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