動的な資源のリサイジングを組み合わせたデュアルターボブースト
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概要
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プロセッサの TDP (thermal design power) は,すべてのコアが動作している場合を想定して決められている.しかし,そのような場合は多くなく,電力予算は余っていることが多い.現在では,これを動作コアに割り当て,クロック周波数を増加させ,シングルスレッドの実行性能を改善する手法がとられている.しかし,クロック周波数を増加するだけでは,メモリアクセス時間が実行時間の多くを占めるメモリインテンシブなプログラムの実行においては効果が少ない.これに対して,我々はこれまでに,動的に資源を拡大し,メモリレベル並列を利用し性能を改善する資源のリサイジング手法を提案した.しかし,電力をより多く消費するという問題がある.本論文では,***コアが存在するときの余剰電力予算の活用方法として,プログラムの実行フェーズが,メモリインテンシブか計算インテンシブのどちらかであるかを動的に判断し,資源リサイジングかクロック周波数ブーストかを選択するデュアルターボブーストを提案する.本手法を用いれば,プログラムがメモリインテンシブか計算インテンシブのどちらであっても適応的に余剰電力予算を性能向上に結びつけることができる.SPEC2000 プログラムを使用して評価を行ったところ,クロック周波数ブーストのみ,あるいは,資源リサイジングのみを使用したときと比較し,デュアルターボブーストはそれぞれ,19%,1.5% の性能向上が得られた.その結果,平均では,28% の性能向上が得られた.
- 2012-07-25
著者
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