サフランエキスの線溶酵素(プラスミン及びウロキナーゼ)に及ぼす影響 : 合成基質分解法による検討

概要

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われわれは,生薬サフラソ(Crocus sativus LINNE, Iridaceaeの柱頭及び花柱上部)の熱水抽出エキスが,血液凝固系に対してプロトロンビン時間(PT)及び活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を延長することにより抗凝固作用を有していること,ADP並びにCollagenにより惹起される血小板凝集の抑制作用を有していることを報告し,その血小板凝集抑制作用を示す主成分がアデノシンであることも報告した.また,線溶系に対して,フィブリン平板法を用いて検討を行ったが,さらに今回,サフランの熱水抽出エキスが,線溶系の酵素であるプラスミン及びウロキナーゼに及ぼす影響について合成基質分解法を用いて検討を加えた.サフランの熱水抽出エキスは,黄赤色を呈するため,プラスミン及びウロキナーゼ活性測定に従来用いられている発色性合成基質のS-2251やS-2444などの基質を用いることが困難であるので,プラスミン活性測定には,青緑色を呈する発色性合成基質(PS-994)を用いて測定を試みた.また,ウロキナーゼ活性測定には,蛍光性合成基質(Glt-Gly-Arg-MCA)を用いて測定した.
日本生薬学会の論文
1993-09-20