Dennettの論考による三つのスタンスの検証(エージェントデザイン,<特集>人とエージェントのインタラクション論文)
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概要
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哲学者Dennettは人間が他者の振舞いを理解し予測するために意図,設計,物理の三つのスタンスを使い分けているとし,哲学的論考によってその妥当性を示した.しかし,人間が本当にそのようなスタンスを使い分けているかどうかは定かではなく心理学的研究によってその存在が証明されているわけではない.そこで,本研究では,スタンスを科学的に定義し,実際に振舞い理解において用いられているかどうかを検証するために三つの心理実験を行った.まず,Dennettのスタンスをアニメーション化し,アニメーションに対する被験者の印象記述を分析することで,振舞い理解のための四つの言語的概念カテゴリーを明らかにした.次に,60個の様々な対象の振舞いを参照基準として用いることで,四つのうち三つの言語的概念カテゴリーがDennettのスタンスと近いものであることが分かった.しかし,Dennettの主張のような原理帰属による理解がなされているという直接的証拠は得られなかった.議論から,実際の振舞い理解においては振舞いの性質が注目され,意図,決定,受動,複雑の四つの概念的カテゴリー化が行われていると結論づけた.
- 2012-01-01
著者
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伊藤 昭
岐阜大学工学部
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伊藤 昭
山形大学工学部
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寺田 和憲
岐阜大学工学部
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伊藤 昭
岐阜大学大学院工学研究科
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寺田 和憲
岐阜大学 工学部
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寺田 和憲
通信総合研究所・西田結集型プロジェクト
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寺田 和憲
奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科情報システム学専攻:(現)通信総合研究所西田結集型プロジェクト
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伊藤 昭
郵政省通信総合研究所
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岩瀬 寛
岐阜大学工学部
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