障害児の親に対する子どもの発達の遅れと育児方法の情報提供

概要

論文の詳細を見る
本研究は、今後の専門職による適切な情報提供の在り方の指針を得ることをねらいとし、障害児の親に対する子どもの発達の遅れと育児方法についての情報提供の現状を検討した。調査対象は、北海道十勝支庁に居住する知的障害養護学校と高等養護学校の在学生の親、及び20歳以下の高等養護学校卒業生の親251名とした。調査票は、多肢選択方式及び自由記述方式で回想法により回答を求めた。なお、調査対象者251名のうち、回収ができた107名(回収率42.6%)の資料を分析した。調査内容は、1)家族の状況、2)子どもの状況、3)子どもの発達の遅れについての専門家からの説明、4)育児方法についての専門家からの説明とした。その結果、専門職の親に対しての子どもの発達の遅れと育児方法についての情報提供は、対象となる個々の家族のもつ状況を十分把握したうえでの、適切な援助と積極的な情報支援の必要性が示唆された。今後、専門職は障害児と親の生活を支援する者として、親が求めている援助を適切に捉え、きめこまやかな対応と提供する知識や技術を発揮できる能力を養っていくことが肝要であろう。
日本保健福祉学会の論文
2002-10-31