地域在宅高齢者における活動能力と社会活動の関連性

概要

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本研究は、今後の高齢者保健医療福祉施策の展開における基礎資料を得ることをねらいとして、青森県内に在住する在宅高齢者を対象に、彼らの活動能力と社会活動の実態を把握するとともに、活動能力と社会活動との関連性について検討した。調査地域は、青森県内67市町村とし、調査対象は層化多段無作為抽出法により65歳以上の高齢者3,000名を抽出した。調査は食生活改善委員による配票留置法によって実施した。配布した調査票は、原則として本人あるいは同居家族の自記入とした。なお、調査対象者の98.3%にあたる2,948名より回答が得られ、すべての項目に回答が得られた2,544名(有効回答率 : 86.3%)を集計対象とした。その結果、高齢者の活動能力には、男女ともにいずれも「個人的活動領域合計得点」「収入のある仕事」の2項目が密接に関連していた。換言するなら、高齢者の活動能力の低下を防止するためにも、「個人的活動領域合計得点」や「収入のある仕事」の場を拡げることが重要であることが示唆された。したがって、行政は健康で働く意欲のある高齢者の体力・能力にふさわしい短時間勤務や任意的就労など多様な就業機会の確保が必要であり、高齢者が安心して活動できるような公共交通手段を整備して移動の自由も確保しなければならない。また、ボランティアをはじめとする多様な社会参加の機会を提供していくことが重要であると考える。
日本保健福祉学会の論文
2002-04-30

地域在宅高齢者における活動能力と社会活動の関連性

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