小学生の視写における書字行動プロセスの時間分析
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概要
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書字障害の評価は、これまで書字速度と正確さを測度とする方法が中心であり、書字困難の要因を特定するには不十分であった。そこで本研究では、デジタルペンを用いて小学1年生から6年生までの618名に対し、文章の書き写し課題を実施し、書字行動を運動フェーズと停留フェーズに分けて分析した。その結果、運動に関しては、仮名は小学2・3年生間で、漢字は4・5年生間で急激に書字運動速度が増加すること、停留に関しては、仮名は1年から3年にかけて、漢字は4年から5年にかけて停留時間が短くなることが明らかとなった。停留は運動よりも発達変化がゆるやかであり、また仮名と漢字では発達の過程が異なっていた。運動フェーズは視覚運動協応と、停留フェーズは文字の形態分析や音・意味との結びつきと関連していると考えられ、デジタルペンを用いた新たな書字評価の方向性が示された。
- 日本特殊教育学会の論文
- 2010-11-30
著者
-
平林 ルミ
東京大学大学院工学系研究科
-
中邑 賢龍
東京大学先端科学技術研究センター
-
河野 俊寛
金沢大学人間社会学域学校教育学類附属特別支援学校
-
中邑 賢龍
香川大学
-
河野 俊寛
金沢大学教育学部附属養護学校中学部
-
河野 俊寛
東京大学先端科学技術研究センター
-
河野 俊寛
石川県立明和特別支援学校
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