先行音効果におけるエコー検知限と音声の包絡線変調度(騒音,振動)
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概要
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本論文は音声の包絡線変調度の変化が先行音効果におけるエコー検知限に与える影響について述べたものである.室内音場における音像知覚の一つである先行音効果は後続音の遅れ時間と音源信号の性質により変化する.これまで先行音効果に関する研究の多くは単一パルスあるいは白色雑音を含む非日常的な音源を用いて行われており,音声に対する研究はいまだ十分に行われていない.本報告では音声を識別するための重要な要素の一つである包絡線に着目し,先行音効果におけるエコー検知限と包絡線変調度との関連を明らかにすることを試みた.残響室にて測定したインパルス応答及びそのall-pass成分を音声と畳み込み,包絡線変調度の異なる信号を作成し,先行音効果とエコー検知限を測定した.その結果,包絡線変調度の低い音声に対してはエコー検知限となる遅れ時間が増加することを確認した.また,音声に畳み込まれたインパルス応答の振幅周波数特性にかかわらずエコー検知限と包絡線変調度に相関関係が見られたことから,先行音効果におけるエコー検知限は,包絡線変調度に依存していることを明らかにした.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2006-06-01
著者
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