信号の包絡線と搬送波に着目した先行音効果実験について

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概要

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反射音の存在する音場における両耳聴の音像知覚として先行音効果が知られている。音源信号が音声の場合、後続音の到来時間が増加すると、先行音効果による音像の定位および音像の分離が生じる。しかし、音源信号の種類が異なると知覚される音像も変化する。本報告では、音源信号の性質として信号の包絡線と搬送波に着目した。先行音効果を含む音像知覚に対する信号の包絡線および搬送波の役割を明らかにするために音声信号を1/4オクターブ幅で帯域分割し、各帯域信号の包絡線と搬送波に独立した時間差を与えた信号を用い音像知覚実験を行った。その結果、(1)先行音効果による音像の定位および後続音による音像の分離は主として信号の低域部分によっている、(2)包絡線は後続音による音像の分離に、搬送波は先行音による音像の定位に影響を及ぼしている、ことを確認した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2001-03-23

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