Dasysphecia属(鱗翅目,スカシバガ,Cissuvorini)の分類学的位置および北ベトナム産のマルハナバチに擬態する2新種
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概要
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北ベトナムのサパおよびベトナム最高峰のファン・シ・パン山麓でスカシバガの調査中に,著しくマルハナバチ類に擬態している2種類のスカシバガが合成性フェロモンに飛来したものを採集した.調査の結果それらはDasysphecia属の新種であったので記載した.さらにこの属の所属を検討した.Dasysphecia属にはSphecia bombiliformis Rothschild,1911(インド・アッサム)およびSesia ladakhensis Spatenka,1990の2種類が知られていた.この属はSesiini族に所属していたが,ベトナム産の2新種を詳しく調べた結果,1)前翅の翅脈R_3とR_4+R_5が有柄であること,2)雄ゲニタリアのグナトスは一本で長く指状に突出する.バルバは内面に多様に分枝した剛毛を備えている.雌ゲニタリアの硬化しよく発達したラメラポストバギナリスを欠く.成虫は体や脚は密に毛状に変化した鱗粉に覆われる.などの特徴からSesiini族からCissuvorini族へ所属を変えた.Dasysphecia bombylina Arita&Kallies,sp.n.(Figs1-3,7,9) 本種はこの属のタイプ種D.bombyliformis(Rothschild,1911)に似ているが,小型であることと胸部背面が密に金色の毛で覆われることで区別される.サパのモモやタケ類が植栽されている民家の近くや山間部の近くで,1♀を除いて,♂の全個体は合成性フェロモンルアーに誘引された.本種は同じところを飛翔しているマルハナバチ類,bombus(Orientalibombus)haemorrhoidalis Smithやbombus(Diversobombus)trifasciatus Smithなどに著しく良く擬態している.Dasysphecia ursina Kallies&Arita,sp.n.(Figs5,8) 本種は大型で,体全体が褐色の毛で覆われていることで容易に他の種類から区別される.本種もファン・シ・パン山麓の1,950mのところで合成性フェロモンルアーに誘引されたが1頭しか採集されなかった.同じところで飛翔しているマルハナバチの一種,bombus(Rufipedibombus)eximius Smithに非常に良く擬態している.
- 日本鱗翅学会の論文
- 2005-03-20
著者
-
有田 豊
Zoological Laboratory, Faculty of Agriculture, Meijo University
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有田 豊
Zoological Laboratories Faculty Of Agriculture Meijo University
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有田 豊
Zoological Laboratory Faculty Of Agriculture Meijo University
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有田 豊
名城大学農学部
-
KALLIES Axel
The Walter and Eliza Hall Institute of Medical Research
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