タイワンモモブトスカシバMelittia formosana Matsumura,1911(鱗翅目,スカシバガ科)の食草の発見
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概要
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タイワンモモブトスカシバMelittia formosana Matsumura,1991は最初台湾で得られた1♂の標本で記載されたが,Arita and Yata(1988)によって奄美大島にも分布していることが明らかとなった.その時の記録に,"本種の食草は確かめることはできなかったが,ケカラスウリTrichosanthes rostrataと思われるカラスウリの周りを飛んでいる2♀とその葉上に止っている1♀を採集した"(Arita and Yata,1988:258)としてケカラスウリが食草であることを予想した.しかし本種の食草は依然不明であるとしていた(Arita,1994).1994年9月に著者らは奄美大島でスカシバガの調査を行なった.その折ケカラスウリの地上部に近い所に3つの虫瘤を発見した(Fig.1).その虫瘤から1♀(Fig.3)が4月5日に,1♂(Fig.2)が4月25日に羽化し,ケカラスウリがタイワンモモブトスカシバの食草であることを確認した.
- 日本鱗翅学会の論文
- 1996-03-15
著者
-
有田 豊
Zoological Laboratories Faculty Of Agriculture Meijo University
-
Gorbunov Oleg
Institute For Problem Of Ecology And Evolution Russian Academy Of Sciences
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