フィリピンにおける人口学的要素と森林の現状について

概要

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フィリピンにおける人口学的要素(人口増加,山地人口,移出入)と森林の関連について,国勢調査,森林統計をもとにその基礎的事実を明らかにすると共に,集落調査によりミクロ的な人口動向の実態と要因を明らかにした。その結果,第1に山地人口密度が高く森林面積率が低いのは,ビコール,西ビサヤス,中ビサヤスで,逆に山地人口密度が低く森林面積率が高いのは首都圏から遠いカガヤン,パラワン,北ミンダナオであった。第2に人口移動の変遷について,1960年代は政府プロジェクトによる南ミンダナオへの移住,70年代は都市化による首都圏や地方都市への移住,80年代は経済低迷のため都市近郊の山地への移住が主流であった。第3に集落調査によると,移出入の理由として求職目的が最も多くアブラ,ベンゲット,ヌエバエシハ,西ミンダナオ,コンポステラバレーで主とした回答であった。森林面積率が高いパラワン,カガヤンでは農地を求めた移入が回答された。ケソン,イロイロ,西ネグロスでは移出入が少なかった。第4にマニラへの移出はベンゲット,ヌエバエシハ,イロイロで主要移出先と回答され,他にアブラ,西ネグロス,北ザンボアンガでも回答された。
2002-03-15