エコツーリズムの定義に関する再検討 : エコツーリズムは地域にとって持続可能な観光か?
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概要
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エコツーリズム産業の著しい発展の陰で、その問題点が近年露呈している。本稿では、先行研究レビューを中心に、展開されている事業の問題点を明らかにしつつエコツーリズムの再定義を試み、地域社会にとって持続可能な観光形態であるかの検証を行った。大半の定義では自然地域の環境が損なわれないことが前提となっているが、現実にはエコツーリズムとはとても容認できない商品が販売され、観光客の大量流入による環境破壊が発生している場合も見られる。今後エコツーリズムを議論する際には、利潤追求を最優先する商業重視型と、環境保全が達成された上での経済性を目指す環境保全型に峻別する必要がある。また商業重視型エコツーリズムは、利潤追求を最優先した環境教育活動と類似していることも判明した。さらに今後のエコツーリズムの発展には、公的機関のみならず、地域住民の参加を含めた社会・制度面での整備が急務といえる。
- 財団法人林業経済研究所の論文
- 2005-01-20
著者
-
永田 信
東京大学大学院農学生命科学研究科
-
柴崎 茂光
東京大学大学院農学生命科学研究科
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柴崎 茂光
東京大学大学院農学生命研究科
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永田 信
東京大学大学院
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柴崎 茂光
東京大学大学院農学生命科学研究科:(現)岩手大学農学部
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