荒廃保護地における農民の造林活動とその評価-ガーナ移行地帯のチェチェウェレ地域を事例として-

概要

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ガーナでは2001年以降,農民の社会経済状況の向上,森林保護,そして林業開発を目的として改良タウンヤ方式(MTS)による造林プロジェクトが実施されてきたが,プロジェクトによる住民へのインパクトや農民参加の動機についての研究は限られた範囲内において行われているに過ぎない。そこで本研究では,農民のプロジェクトへの参加割合と参加動機について明らかにすることにした。具体的には,本プロジェクトのインパクトを農民の土地取得方法,移動農耕の実施,そして現金収入の状況において評価した。ガーナ国アシャンティ地区,オフィンソ森林保護区内,アフラム水源涵養地区における森林周辺村であるチェチェウェレおよびその住民を対象とした。調査は,住民に対するアンケート調査,重要人物への面接や住民内のグループディスカッションを基本データとした。分析の結果,農民の土地所有状況とプロジェクトへの参加意識について強い相関関係が認められた。また,改良タウンヤ方式によるプロジェクトが土地あり農民よりも土地なし農民により有益であったことも明らかになった。さらに,プロジェクトを実施することにより移動農耕の実施が少なくなり,より多くの休耕期間が設けられるようになり,森林保護と保全に良好な方向へと展開してきている。最終的には,プロジェクトへの農民参加が住民自身の様々な利益へとつながり,生活状態も向上することが可能であることがわかった。
2011-06-15

荒廃保護地における農民の造林活動とその評価-ガーナ移行地帯のチェチェウェレ地域を事例として-

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