砕土用ディスクブレードの動特性に関する研究

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小型のソイルビンに砂と砂壌土を入れ,試作6分力計によって円板ハロー用ディスクブレードの特性を求めることができた。本実験は1970年から1972年にわたって実施したもので,土壌移動についてはトラクタ直装用円板ハローを供試しての実用試験からも検討を加えた。実験結果を一括して列記すると次の通りである。1)使用した力量計はストレンゲージ応用のもので,容量は100kgのものを4個使用し,そのうち2個は2方向の応力が同時に計測できる。力量計の相互干渉による誤差は2%以下であった。また分力測定の誤差は5%以内であった。2)耕深が5〜15cmにおいて,作業速度が1m/sの場合,砂では合力Rは6倍に,砂壌土では3倍に増加した。比抵抗はそれぞれ0.1kg/cm^2および0.1〜0.4kg/cm^2となった。合力の方向は浅いときに外側から,深いときには次第に進行方向へ向う。土壌が付着した場合では,合力は3倍に増大することを知った。3)円板角を変化した場合,15°で進行方向力Lが最小値を示し,もっとも貫入しやすいことを知った。円板角が20〜25°となると,凹側の投影面積は15°のときの1.3〜1.5倍となり,比抵抗は減少する。円板角が10°では凸側のささえ面が出るために,側方力は反対方向となり,比抵抗も増大している。すなわち,円板角15°付近を境にして貫入状況が変化した。4)比抵抗は砂壌土において,円板角15°で0.3kg/cm^2,20°で0.2kg/cm^2となった。作業速度を1.5m/sとすれぽ,増加割合は1.5倍となった。しかし砂においては,速度の影響がほとんどなかった。5)20インチ円板の作業速度による進行方向力Lの増加割合は10%であるのに対して,16インチ円板では20%増となった。比抵抗Kはそれぞれ0.2および0.3kg/cm^2となり,大径の円板の方が有利であることを知った。6)円刃と花形刃の比較については,進行方向力Lは1.5:1,垂直力Vは1:0.5で切断力の大きいことを知った。側方力Sの小さいことから,土壌の放てき力は後者は少ないと考えられる。7)合力Rは作業速度を上げると,低速で軸付近にあったものが円板の凹側に沿って次第に上方へ向って分布している。8)土壌移動を押し出し距離で表わすと,同一耕深では16インチ円板の方がやや大きくなっており,土壌を抱きかかえて進行することを知った。円板角を大にすると,特に顕著となった。円板角を大きくすると,速度による土の移動が一層大となった。円板による土壌の反転は,上層と中層がそれぞれ縞状に反転・放てきするが,下層は全く反転することがないことを知った。この事実を確認するため,トラクタ用円板ハローでの実験をした結果,円板ハローによる土壌の完全な混和と反転作用は期待できないと結論するにいたった。
帯広畜産大学の論文
1974-09-25

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