牧草地における融雪促進に関する試験
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概要
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融雪材の散布技術に関して,スノーモービルと小型ダスターを使用して試験し,その特徴を明らかにした。その結果を要約すると,1.供試ダスターの室内定置散布特性は左方向,右方向散布の間に硫安を用いた場合にはかなりの相違が認められた。両方向共散布幅は約5mであるが,左方向散布では吐出口より1.8m,右方向散布では1.4,2.0,2.4m付近に集中散布され,散布密度の差が大きく,均一散布は得られなかった。しかし,供試材料の硫安は融雪材とかなり性状が異なるので,融雪材の場合にも同様の結果が得られるとは限らない。2.圃場での散布作業能率は幅30m,長さ50mの試験区でGAの場合に反当50kgで約0.6ha/hr,100kgで約0.35ha/hr(作業速度を0.75m/sにすると約0.4ha/hr),HKの場合に10kgで約1.4ha/hr(開度を20kgと同じにすれば1.9ha/hr),20kgで1.2ha/hrとなった。GAがHKよりも能率が悪いのは散布量の違いにもよるが,GAの性状上吐出性が悪いことによると思われる。この種の作業能率として本試験の結果は悪いがスノーモービルの減速比を大きくすること,小型ダスターではなくブロードキャスタなどを利用することなどによって能率の向上が期待できる。3.融雪材による融雪促進は無散布区で消雪までに45日間要したのに対し,GA100区では18日間,GA50区で15日間,HK20区で14日間,HK10区で12日間それぞれ短縮され,かなりの効果が認められた。GA,HKを標準の2倍量散布するとそれぞれ3日間,2日間の促進があったが,経済性を考えると2倍量散布効果は少ないと考える。
- 1974-03-20
著者
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