数の子の塩抜き過程における味成分の挙動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
低濃度の食塩水を用いた脱塩は"呼び塩"と言われ,多くの料理本では数の子の塩抜きに塩を用いることを薦めている。塩漬け数の子の脱塩中に,拡散による味成分の溶出のみが数の子の味に影響する要因であるのか,またどのような味成分が影響を及ぼされるかを明らかにするために,数の子を水と食塩水を用いて脱塩し,ナトリウム,カリウム,マグネシウム,遊離アミノ酸,5'-ヌクレオチドの分析を行った。ナトリウム,マグネシウムは,水よりも食塩水を用いた脱塩の方が溶出量は少なかったが,カリウムは食塩濃度とは関係がなかった。脱塩中に浸漬液中の遊離アミノ酸は時間と共に増加し,数の子中の遊離アミノ酸は減少した。水で15時間脱塩した時の,数の子と浸漬液中の総遊離アミノ酸含量の合計は,脱塩前の塩漬け数の子の総遊離アミノ酸含量より1.8倍多かったが,3%食塩水を用いて脱塩した時は全く増加していなかった。さらに,水で15時間脱塩した時の数の子中の総遊離アミノ酸含量は,3%食塩水を用いて脱塩したときより2倍多かった。これらの遊離アミノ酸の中では,味が苦いと言われる疎水性アミノ酸が70%占めていた。これらの結果は,遊離アミノ酸が水を用いた脱塩中にプロテアーゼによって生成されたことを示唆している。
- 2007-10-20
著者
関連論文
- 数の子の塩抜き過程における味成分の挙動
- 60才からのコラーゲン研究物語 会社定年後の一つの生き方(3)
- 60才からのコラーゲン研究物語 会社定年後の一つの生き方(2)
- 60才からのコラーゲン研究物語 会社定年後の一つの生き方
- キノコのアンジオテンシンI変換酵素(ACE)阻害活性
- キノコの一般成分組成について
- シイタケの菌床栽培における培地窒素量と子実体の窒素含有成分との関係
- 品種の異なる干し椎茸の官能検査と成分組成
- つくば高血圧マウスの血圧に及ぼすニコチアナミンの影響
- 菌床栽培ブナシメジ・ナメコ・エノキタケの一般成分と無機質含量ならびに培地成分との関係
- キノコ類抽出物の抗酸化活性
- 梅酒製造過程における果実成分の溶出と変化について
- 食用植物の抗酸化性について
- 干し椎茸の水もどしに関する一考察
- キノコ類の遊離アミノ酸組成について
- 食用キノコ類の脂肪酸組成およびエルゴステロ-ル含量
- 食品中のプリン塩基量およびそれに対する調理方法の影響
- 魚および魚製品中のプリン塩基量
- 市販魚介類の一般成分及び無機質含量について
- 干しシイタケの春子,秋子の嗜好について
- 肉および肉製品中のプリン塩基量
- 干しシイタケ各種銘柄のエリタデニン含量について
- 野生キノコの遊離アミノ酸
- 椎茸のテクスチャー測定
- 干し椎茸の品種間差による水戻しに対する挙動
- 干し椎茸成分の品種間差異
- 生椎茸に異なる熱付加,組織損傷を与えた際の5'-ヌクレオチドの挙動
- ユキノシタの抗酸化成分について
- ハヤトウリからのニコチアナミン単離精製とその定量法の確立
- ベルベットビーンを原料とするテンペの製造工程における遊離アミノ酸の変化
- 豆類のニコチアナミン含量とアンジオテンシンI変換酵素阻害活性
- 干し椎茸の水戻し汁は料理に用いるべきか
- 大豆イソフラボン修飾体の調理加工による組成変化
- 大豆のイソフラボン組成の加熱加工による変化
- 大豆タンパク質の免疫学的基礎研究
- 植物成分ニコチアナミンとその類縁体のアンジオテンシン-1変換酵素阻害機能
- 干し椎茸の水戻し汁は料理に用いるべきか
- クックチルシステムにおける牛肉の含有脂質の変化について
- 解説 水の話(4)水と食品(1)食品中の水の状態
- 原木栽培と菌床栽培シイタケの一般成分と無機質含量の比較ならびに培地成分との関係
- α-アミラーゼおよびα-グルコシダーゼに対するキノコ抽出物の阻害活性
- 大豆イソフラボン修飾体の調理加工による組成変化
- 干椎茸の低分子ペプチドに関する研究 (女子栄養大学創立50周年記念号)
- 干椎茸の低分子ペプチドについて
- 野性キノコの遊離アミノ酸
- 大豆イソフラボン修飾体の調理加工による組成変化
- 植物性食品のニコチアナミン含量とアンジオテンシンI変換酵素阻害活性