明治初期から中期の美術工芸振興活動にあらわれた「意匠」概念 : 日本における, デザイン思考・行為をあらわす言語概念の研究(4)
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概要
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明治初期から中期の美術工芸の振興活動において、語「意匠」がどのような意味内容で用いられていたか、関連する言説における語の用例を確認し、検証を行った。明治初期、高橋由一の活動においては、創作主題をねりあげて画の構図や構成をあらわすために構想することの意味内容で用いられていた。遣欧使節団による万国博覧会や博物館施設の視察報告においては、「考案」の類義で用いられていた。それらの視察報告においては、物品の外観の様態をあらわす場合に「意匠」は用いられず、「形貌」や「外容」といった語が用いられていた。明治20年前後の美術学校設立を提唱する言動において、西洋の'design'の概念を念頭においた論述が展開され、'design'は「考案」へ、もしくはその類義である「意匠」へ対訳された。確認した明治初期から中期の美術工芸の振興活動の言説において、「意匠」には「形状・色彩・模様の結合」の意味は内包されていなかった。「意匠」は、物品の外観の様態をあらわすことばとして用いられず、「考案」の類義の意味内容において理解されていた。
- 日本デザイン学会の論文
- 2007-05-31
著者
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