ウィーン万博における陶磁器分野の伝習地ボヘミア地方の役割 : 日本とドイツの陶磁器産業とデザインに関する研究(2)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
明治政府が遂行した殖産興業及び輸出振興政策において、明治20年頃迄は、陶磁器製造業が日本の在来産業の主役として重要な役割を果たした。1873(明治6)年に政府が正式に参加したウィーン万博に附随した海外伝習の結果、日本の陶磁器産業は飛躍的な成長を遂げることとなる。本稿では、陶磁器分野の最新技術習得をめざして日本から派遣された伝習生、納富介次郎、川原忠次郎、丹山陸郎の3名の研修地オーストリア・ボヘミア地方の磁器産業に焦点を当て、産地としての特徴を分析し、同地での研修の意義について考察を試みた。ドイツ文化圏の磁器産地の中でも後発のボヘミア地方は、セーブル窯、ミントン社などが競合する同時代のヨーロッパ陶磁器業界において、重830年代から優れた量産技術力で注目され、廉価な磁器製造、多様な海外需要への対応力に秀でていた。同地方はウィーン万博でも特に注目された産地の一つであった。日本政府は、既に自信を持っていた美術装飾品分野ではなく、日用品としての陶磁器量産工業技術の習得を目指し、研修地をボヘミア地方に決定したものと考えられる。
- 2007-07-31
著者
関連論文
- 成田山新勝寺の祭礼における伝統色彩文化 : 釈尊降誕会・祇園会・盂蘭盆会・彼岸会の調査を通して
- 「En-joy」美濃焼産地におけるテーブルウェアデザイン開発vol.2
- 「閨房歌辭」にみられる「針仕事:バヌジル」 : 韓国における「針仕事文化」に関する研究(2)
- D11 村落における空間秩序・空間演出に関する調査・研究 : 千葉県成田市台方・下方の事例を中心に(デザインサーベイ, 第54回研究発表大会)
- 明治中期において文化に関わる言説に用いられた「意匠」概念 : 日本におけるデザイン思考・行為をあらわす言語概念の研究(5)
- 寺廟装飾「剪黏(ジェンネン)」に関する起源・変遷及び制作過程 : 台湾及び中国大陸南方における現地調査を通して
- A11 印旛沼周辺村落における伝統的空間観念・伝統的空間演出に関する研究 : 佐倉市内郷地区高座木・萩山新田の事例を中心に(平成17年度日本デザイン学会第52回研究発表大会)
- 地域資源を活用した学校給食に対する評価 : 台湾における地域資源を活用した学校給食に関する研究(3)
- 地域資源を活用した学校給食に対する志向性 : 台湾における地域資源を活用した学校給食に関する研究(2)
- 地域資源を活用した学校給食の類型 : 台湾における地域資源を活用した学校給食に関する研究(1)
- 地域資源を活用した学校給食の類型 : 台湾における地域資源を活用した学校給食に関する研究(2)
- 台湾における地場型学校給食の実態 : 台湾における地域資源を活用した学校給食に関する研究(1)
- 中国企業における意匠制度に関する認識 : 知的財産としての意匠権の保護・育成に関する調査・研究
- 台湾における「紅眠床」の風格様式 : 1880年代から1960年代までの現存する実物の分析を通して
- 台湾における黒の嗜好と評価 : 黒のイメージと黒に対する嗜好の年齢別比較
- 洛陽地域における唐三彩制作技術の形成と変容 : 南石山村における現地調査を通して
- 明治中期に公布された意匠条例に用いられた「意匠」概念 : 日本におけるデザイン思考・行為をあらわす言語概念の研究(6)
- 熱田神宮の祭礼における伝統色彩文化 : 祈年祭・御衣祭・例祭・御田植祭の調査を通して
- O53 平安朝に倣う伝統色彩の階層機能 : 熱田神宮の大祭の装束の事例を通して(色材・色彩文化,口頭発表,第38回全国大会要旨集)
- ポスター1 日本における伝統的色彩文化にみられる秩序と演出 : 熱田神宮における現地調査を通して(第37回全国大会要旨集)
- 美濃焼産地におけるテーブルウェアデザイン開発
- 大日本窯業協会雑誌の意匠標本にみる陶磁器デザインの変遷
- 第一次世界大戦後におけるドイツ磁器産業の再生とデザインの展開 : 日本とドイツの陶磁器産業とデザインに関する研究(3)
- ウィーン万博における陶磁器分野の伝習地ボヘミア地方の役割 : 日本とドイツの陶磁器産業とデザインに関する研究(2)
- 19〜20世紀初頭におけるドイツ文化圏の磁器産業とデザインの発展 : 日本とドイツの陶磁器産業とデザインに関する研究(1)
- 1930年代台湾漆器「蓬莱塗」の意匠特質
- 中国オロチョン族の樺皮活用文化の特質 : 樺皮生活用具の制作・使用の参与観察を通して
- 8-109 高度デザイン研究者養成プログラム : クロスファータライゼーションを促す教育(口頭発表論文,(6)工学教育の個性化・活性化-III)
- 幕張町住民における幕張新都心諸施設の利用実態 : 住民の生活における都心諸施設の利活用に関する研究(1)
- 歴史にみる韓国女性と「針仕事:バヌジル」 : 韓国における「針仕事文化」に関する研究(1)
- 1920-1930年代における小池新二の活動 : 昭和前期のデザイン啓蒙活動をめぐって
- 飛鳥から平安時代における「包み」の文化 : 「風呂敷」の語源とその前史
- 『朝鮮裁縫全書』と楊甲兆にみる「針仕事:バヌジル」 : 韓国における「針仕事文化」に関する研究(3)
- 『紅楼夢』にみられる被服文様とその意味 : 清代における漢民族の被服意匠に関する研究(3)
- 『紅楼夢』にみられる被服色彩とその意味 : 清代における漢民族の被服意匠に関する研究(2)
- 『紅楼夢』の記述解釈に基づく清代衣装の復元 : 胡族文化との出会いによる文化変容
- 小説『紅楼夢』にみられる被服形態と着衣観念 : 清代における漢民族の被服意匠に関する研究(1)
- 小説『紅楼夢』の被服に見られる文様のモチーフと意味 : 中国清時代の社会・人間関係の反映としての文様について
- 小説『紅楼夢』の服飾にみられた色彩の特徴 : 礼服と在宅服における色彩使用の比較考察
- 中国オロチョン族における樺皮の活用 : 樺皮を活用した生活用具を中心に
- 「En-joy」美濃焼産地におけるテーブルウェアデザイン開発vol. 2
- 中国山東省維坊市楊家埠における竃神年画 : そのモチーフ・色彩・版線の特色
- 中国山東省維坊市楊家埠における門神年画 : そのモチーフ・色彩・版線の特色
- ユーザーの本質的要求を設計要求に反映するプロセスの検討 : 油圧ショベルのオペレータステーションを例として
- 排水処理実験による藁・籾殻のろ材としての可能性 : 藁・籾殻を用いた生活雑排水処理システムの提案(1)
- 実験設計学による設計過程の比較 : デザイン実践における共同作業のあり方に関する研究(1)
- 台湾における伝統的寝台「紅眠床」の制作技術 : 中部地区職人からの聴き取りを通して
- D03 台湾における伝統的な紅眠床の構造用語に関する研究・調査 : 台湾中部地域の職人と使用者へのインタビューを中心として(伝統的資源と現在学(家具・木工研究部会)、家具・木工,心「こころ」とデザイン,第55回春季研究発表大会)
- 中国の伝統的工芸文化にみられる意匠権 : 中国江蘇省無錫市における「惠山泥人」に関する調査を通して
- E04 中国伝統的工芸にみられる意匠権に関する調査・研究 : 中国江蘇省無錫市における「恵山泥人」に関する調査を通して(デザイン計画,心「こころ」とデザイン,第55回春季研究発表大会)
- D14 知的財産としてのデザインの社会保護・育成制度に関する調査・研究 : 中国における意匠保護に関する実態と意匠制度のあり方(デザイン計画, その他, 平成17年度日本デザイン学会第52回研究発表大会)
- 韓国における地域デザイン革新センターの設立と役割およびその展望 : 韓国における地域デザインセンターの運営・活動の現状と課題に関する研究(1)
- 韓国安東地域の忌祭祀と普段の食生活にみる「孝」の精神 : 韓国の食生活における儒教思想の表出(2)
- 儒教における「所作の意匠」の今日的実態
- 儒教における「所作の意匠」の今日的実態 : 韓国の食生活における儒教思想の表出(1)
- 韓国における住居と台所の原初的概念 : 朝鮮時代以前の住居と台所の変遷を通して
- 生活環境の変化による住民意識の変容 : 幕張町住民へのアンケート調査を通して(ポスターセッション方式による研究発表概要)
- ものづくりを通した高齢者の生き甲斐づくり : 福島県三島町の生活工芸運動から(口頭による研究発表概要)
- 台湾における贈与文化に関する研究(口頭による研究発表概要)
- 幕張ベイタウン住民における幕張新都心諸施設の利用実態 : 住民の生活における都心諸施設の利活用に関する研究(2)
- 類型化による日韓博物館の地域連携と教育普及活動の特性分析 : 日本・韓国の歴史系博物館の教育普及活動に関する研究(4)
- 大学生における「伝統的苞」と「現代的包み」に関する認識・イメージ・使用 : 韓国における苞の生活文化に関する研究(2)
- 感情表現におけるマンガ符号の役割 : マンガ経験別にみるマンガ符号の受け取り方
- 資源循環型文化としての「裂き織り」
- 台湾における「嫁粧(嫁入り道具)」の時代的変遷 : 台北・台南二つの地域を中心として
- イメージ調査に基づく「江戸からかみ」の活用の可能性
- 色の濃淡、鮮やかさの違いによるイメージの差違比較 : ビビット、ペール、ダークの三色調に対する台湾、日本、韓国および中国での調査
- 清時代後期および日本領有時代の大渓木工芸品産業における利用木材の様相 : 台湾・大渓における地域資源を活用した木工芸品産業に関する研究(2)
- 星岡茶寮時代の北大路魯山人にみる空間プロデュース概念
- 籾殻燻炭を用いた生活排水路の水質浄化実験
- 籾殻燻炭を用いた水質浄化実験 : 藁・籾殻を用いた生活雑排水処理システムの提案(5)
- 稲作農村地域での有効利活用に向けた籾殻炭化法の探求 : 藁・籾殻を用いた生活雑排水処理システムの提案(4)
- エコロジカル・システムの最構築に向けた社会・生活規範 : 藁・籾殻を用いた生活雑排水処理システムの提案(3)
- エコロジカル・システムの再構築の可能性 : 藁・籾殻を用いた生活雑排水処理システムの考案(2)
- エコロジカル・システム再構築への指針 : 藁・籾殻を用いた生活雑排水処理システムの提案(3)
- 洛陽地域における唐三彩を支えた職人の生誕と実像 : 南石山村現地調査を通して
- 台湾における「文化中心」の形成過程と課題
- 台湾における寺廟装飾「剪黏(ジェンネン)」を支えた職人の出自と実像 : 職人組織と技術伝承
- 台湾埔里鎮における新故郷運動 : 住民参加型の地域づくりの方法
- P06 ものづくりを通した小学生児童の科学技術離れ・理科離れ対策 : 科学技術離れ・理科離れ対策ものづくり教育プログラムの作成(第54回研究発表大会)
- D02 資源循環型文化としての裂織り
- 資源循環型文化・裂き織りに使用される古布の流通機構
- 再利用文化としての裂き織り : 古布の流通について
- 古布再生としての裂き織りの技術技法とその今日的価値 : 岩手県花巻市における裂き織りの参与観察を通して
- 清時代後期の大渓における木工芸品産業の生成と展開 : 台湾・大渓における地域資源を活用した木工芸品産業に関する研究(1)
- 台湾・大渓木工芸産業における使用木材の変遷 : 地場産業の形態的変容の検討
- 伝統的住居の内部空間パターンの変容過程 : フィリピンにおける伝統的住居の空間構成の歴史的変容過程に関する研究(2)
- 内発的地域振興に関する回顧と展望 : 域開発における「内発的」の意義をめぐって
- 費孝通にみる地域発展理念 : 内発的地域発展論に基づく地域振興に関する再検討
- D13 観光開発に基づく地域振興に関する調査・研究 : 千葉県の自治体を対象としたアンケート調査を通して(デザイン計画, その他, 平成17年度日本デザイン学会第52回研究発表大会)
- 原住民地域における観光デザインの役割と方針 : 台湾花蓮県の阿美族集落 : 太巴朗と馬太鞍における原住民観光の実態比較を通して
- 山梨県牧丘町における地域イメージの調査 : 地域資源をモチーフとしたイメージマークの作成に向けて
- 地場産業・伝統的工芸品産業の振興 : 『日本の顔』としての生活文化提案産業の振興法策を巡って(第47回研究発表岡山大会オーガナイズドセッション1st Session)
- 伝統的工芸品に関する研究(5) : 汁椀のデザイン開発方法について(第35回研究発表大会)
- 伝統的工芸品に関する研究(4) : 汁椀に関する形状分析と感覚評価(第35回研究発表大会)
- 伝統的工芸品に関する研究(3) : 汁椀に対する体験度と認識度(第35回研究発表大会)
- 伝統的工芸品に関する研究(2) : 伝統的工芸品をめぐる諸課題・汁椀を事例として(第35回研究発表大会)
- 19世紀末から20世紀初頭のドイツ陶磁器産業の発展と磁器デザイン : デザイン史を軸として
- 伝統的工芸品に関する研究(1) : 生活における「工芸」に関するイメージ調査(第35回研究発表大会)