平面交差法を用いたPET神経受容体画像化における動脈採血省略 : 特異値によるボクセル選択とクラスタリングによる血液波形推定の改善(イメージング技術)

概要

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PETを用いた神経受容体画像化には動脈採血が必要とされるが、侵襲性の高い手技であるため、その省略が望まれている。本論文では、平面交差法を用いた動脈波形推定法において、推定精度を改善する方法を提案する。動脈波形の推定は、推定に適切なボクセルの選択法とPETデータに含まれるノイズに影響されると考えられる。動脈波形の推定に必要なボクセルの選択指標として、推定空間の広がりを表す第2最小特異値を採用した。また、ノイズ低減のため、平均化フィルタとPETデータの動態に基づくクラスタリングを適用し、加算平均によるS/N比向上を図った。シミュレーションにおいて、データのS/N比が低い場合、推定空間がノイズによって広がるため、提案指標はS/N比が高いデータの場合に限って適用可能であることが分かった。クラスタリングによるノイズ抑制を行った臨床データでは、各ボクセルのS/N比が均一でないため、提案指標は適用できなかったが、S/N比が十分に改善されたことにより、推定波形と実測波形は良く一致した。本手法は神経受容体を無採血に画像化するのに有用であるといえる。
社団法人電子情報通信学会の論文
2006-11-06