薩摩鶏交雑ブロイラーに関する研究 : 第1報発育試験

概要

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雌にWhite Plymouth Rock A.Tompson, White Plymouth Rock Permenta, New HampshireおよびBarred Plymouth Rockの4品種を用い, これに薩摩鶏の雄を交雑し, これらより生産されたいわゆる薩摩鶏交雑ブロイラーについて, その育成率, 体重, 増体量, 飼料摂取量, 飼料要求率および生体観察などを85日齢まで調査した.その結果は次のとおりである.(1)育成率は99.2〜100.0%の範囲内にあり, 各品種ともきわめて良好であった.(2)体重は85日齢でSA×WR(A)区は1917.4gを示し最も重く, SA×WR(P)区が1638.3gでこれに次ぎ, SA×NH区は1595.8g, SA×BP区は1454.6gの順であった.なお63日齢, 70日齢および85日齢における体重について統計処理を行なった結果, 品種間, 雌雄間および品種×雌雄間に1%水準で有意差が認められた.(3)増体量は試験期間中における週間増体量では品種間にわずかな変動はあったが, 85日齢時における1日1羽当りの増体量ではSA×WR(A)区が22.1gで最も多く, SA×WR(P)区が18.9gでこれに次ぎ, SA×NH区は18.4g, SA×BP区は16.7gの順であった.なお63日齢, 70日齢における1日1羽当りの増体量は85日齢の場合と同じ傾向を示した.(4)飼料摂取量は85日齢時1羽当りSA×WR(A)区が5763.0gで最も多く, SA×WR(P)区は5217.8gでこれに次ぎ, SA×NH区が5039.6g, SA×BP区が4807.8gの順であった.(5)飼料要求率は試験期間中における週間1日1羽当りの飼料要求率では品種別に一定の傾向を示したものはなかったが, 85日齢時ではSA×WR(A)区が3.07を示し最もすぐれており, SA×NH区は3.23でこれに次ぎ, SA×WR(P)区は3.26,SA×BP区は3.38の順であった.卵肉兼用種を交雑したSA×NH区が肉用種を交雑したSA×WR(P)区よりややすぐれていたのは興味が深い.(6)70日齢時における生体各部位の測尺を行ない統計処理を行なったが, 胸角度においてのみ品種間に5%水準で有意差が認められたにすぎなかった.(7)羽装は母鶏の影響が非常に大きく, 優性白遺伝子を有するSA×WR(P)区が雄は白色を, 雌はバブ色を呈しており, また屠体の外観も淡黄色を呈し, 他品種に比べて最もすぐれていた.
鹿児島大学の論文
1975-03-20

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