授乳法による乳離れ形態と母役割達成感尺度との関連(第1報) : 卒乳と断乳に焦点をあてて
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概要
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2002年の母子保健法の改正で母子健康手帳より「断乳」という言葉が削除され,一方で「卒乳」という新しい乳離れの方法が広がりつつある。そこで,授乳法や乳離れの現状を把握し,母役割達成感や授乳満足感などとの関連を明らかにするため本調査を行った。対象は,福岡県内から無作為に抽出した保育園10ヵ所,幼稚園17ヵ所の3〜4歳児をもつ母親674名。調査は,自記式質問紙調査にて行った。1.本研究の対象児において乳離れの平均月齢は14.7±6.9ヵ月であり,母乳栄養卒乳群が17±8.7ヵ月と遅く,混合栄養断乳群は11.2±5.9ヵ月と早い傾向がみられた。2.乳離れに対する不安について,「不安があった」と答えた人の割合は『母乳群』と『混合群』のどちらとも卒乳群より断乳群のほうが高く,有意な差がみられた。3.乳離れ直後の児の反応は,「自然に受け入れた」と答えた人の割合は『母乳群』と『混合群』のどちらとも断乳群より卒乳群のほうが高く,有意な差がみられた。4.授乳法や乳離れ形態の違いにより,授乳に対する満足感に有意な差がみられ,母乳栄養卒乳群に「満足している」人の割合が高かった。5.乳離れの不安と乳離れ直後の反応から,卒乳は,断乳に比べ乳離れの時期に関して母子共に身体的,精神的に負担が少なかった。6.母役割達成感は,授乳法別乳離れ形態の違いにより,有意な差はみられなかった。以上のことより,授乳法別乳離れ形態の違いにより,母役割達成感に有意な差はみられなかったが,授乳に対する満足感は卒乳のほうが満足している割合が有意に高く,また乳離れに対する不安の有無や乳離れ直後の児の反応からも,卒乳の意義が確認された。
- 日本母性衛生学会の論文
著者
-
平田 伸子
九州大学医学部保健学科発達看護学講座
-
新小田 春美
九州大学医学部保健学科発達看護学講座
-
野口 ゆかり
九州大学医学部保健学科発達看護学講座
-
龍 美智子
九州大学医療技術短期大学部専攻科
-
渡辺 香奈
九州大学医療技術短期大学部専攻科
-
西 カンナ
九州大学医療技術短期大学部専攻科
-
中村 彩夏
九州大学医療技術短期大学部専攻科
-
並川 まり亜
九州大学医療技術短期大学部専攻科
-
浜崎 瑠美
九州大学医療技術短期大学部専攻科
-
福田 幸恵
九州大学医療技術短期大学部専攻科
-
新小田 春美
九州大学大学院医学研究院保健学部門
-
渡辺 香奈
九州大学医療技術短期大学部専攻科助産学
-
野口 ゆかり
九州大学大学院医学研究院保健学部門
-
野口 ゆかり
福岡保健学院福岡看護専門学校
-
浜崎 瑠美
九州大学医療技術短期大学部専攻科助産学
-
新小田 春美
産医大保健学部
-
福田 幸恵
九州大学医療技術短期大学部専攻科助産学
-
中村 彩夏
九州大学医療技術短期大学部専攻科助産学
-
並川 まり亜
九州大学医療技術短期大学部専攻科助産学
-
龍 美智子
九州大学医療技術短期大学部専攻科助産学
-
平田 伸子
九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学分野
-
Shinkoda Harumi
Kyushu University School Of Health Sciences
-
野口 ゆかり
九州大学大学院医学研究院保健学部門看護学分野
-
平田 伸子
九州大学医療技術短期大学部
-
西 カンナ
九州大学医療技術短期大学部専攻科助産学
-
平田 伸子
九州大学医学部保健学科
-
平田 伸子
九州大学医学研究院保健学部門看護学分野広域生涯発達看護学講座
-
新小田 春美
九州大学大学院医学系学府保健学専攻
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