妊娠・出産情報メディアとしての携帯メール : 携帯メール利用希望傾向に関する分析を中心に

概要

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本研究は,妊娠・出産に関する健康情報提供システムを構築するための基礎的なデータを収集する目的で,健康情報を携帯メールで入手することを希望する傾向(「携帯メール利用希望傾向」)を属性,社会的支援の有無,ITメディアの保有の実態や利用状況との関連から明らかにした。出産前教室の参加者を対象とした調査の結果,社会的支援者がいる者の方で「非医学的個別情報」に対する携帯メール利用希望傾向が強かった(p<0.05)。また,携帯メールをほとんど毎日利用している者の方で「医学的情報」(p<0.05),「非医学的個別情報」(p<0.05),「一般的情報」(p<0.05)について携帯メール利用希望傾向が強かった。一方,家庭または職場にインターネットのできるパソコンを持つ者は「医学的情報」(p<0.01),「非医学的個別情報」(p<0.001),「一般的情報」(p<0.01)について携帯メール利用希望傾向が弱かった。以上から,携帯メールは双方向性のある情報伝達メディアとして期待されていること,また健康情報提供システム構築にあたっては,メディアの特性に応じた情報の選択が必要であることが考えられる。
日本母性衛生学会の論文