産後1ヵ月時・4ヵ月時の母親の育児生活肯定的感情に影響する要因

概要

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本研究の目的は,産後1ヵ月時と4ヵ月時の母親の育児生活肯定的感情に影響する要因を明らかにすることである。産後の母親178名を対象とし,産後1ヵ月時と4ヵ月時に縦断的質問紙調査を行った。育児生活肯定的感情の測定には,産褥期育児生活肯定感尺度を使用した。産後1ヵ月時で育児生活肯定的感情が低かったのは,初産婦,妊娠中に治療歴があった母親,経済的不安がある母親であった。また,産後4ヵ月時で育児生活肯定的感情が低かったのは,健康状態が治療中の母親,児の健康上の指摘をうけた母親であった。育児生活肯定的感情の変化については,産後1ヵ月時よりも4ヵ月時のほうが肯定的感情は高く,とくに【親としての自信】【生活適応】への肯定的感情が高くなっていた。育児生活肯定的感情の増加群は初産婦が多く,肯定的感情の下位尺度すべてが高くなった。一方,低下群は経産婦が多く,【自己肯定感】【生活適応】【夫のサポート認識】への肯定的感情が低下していた。以上より,産後1〜4ヵ月時の母親を継続的に支援するうえで,これらの影響要因に注目する必要性が示唆された。