ベンガル湾産イモガイの 1 新種
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概要
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鹿間時夫博士著"原色図鑑続世界の貝"(1964年北隆館)の巻頭にウミノミサカエと新称されたイモガイの種につき記載する。殻の色彩文様および概観はウミノサカエDarioconus gloriamarisあるいはABBOTTの指摘するように, コガネイモDarioconus aureusに似るが, 次の諸点で区別される。(1)比率 : 新種はきわめて細長く最大径は殻高の31%(ウミノサカエ38%, コガネイモ35%)。螺塔は殻高の23.2%(ウミノサカエ21.4%, コガネイモ20%)程度。(2)外形 : 新種の螺塔および体層側面むしろ凹, ウミノサカエコガネイモ共やや凸状。体層やや膨れた感じがある。(3)色彩 : ウミノサカエの鱗状紋は極めてこまかく, 且つ螺塔部にも鱗状文様がみえるが, 新種では鱗状文様粗で, 螺塔は市松文様となっている。又体層の色帯が2本である点, 3本のウミノサカエより, コガネイモに似るが, コガネイモのそれほど巾広くなく又暗色線も濃くない。この鱗状文様はタガヤサンミナシ, ヒメタガヤサン, ハナイモガイ等と共通であるが, それらは何れも太短い殻で新種とは異る。又, 殻の細長い点ではホンタガヤサンミナシに似る点もあるが, 体層が狭小になっている点等で区別できる。又ハデミナシも似た点があるが, ハデミナシは小型の貝であるばかりでなく, 鱗状紋も粗で又螺塔が著るしく高い点, 新種とは異る。
- 日本貝類学会の論文
- 1968-01-31
著者
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