永保寺庭園における庭園様式に関する研究
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概要
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本研究の目的は,岐阜県にある永保寺庭園の様式を,現地調査と古文献の分析により,解明しようとするものである.永保寺は,臨済宗の禅寺として知られている.しかし,その寺院に附属する庭園に対しては「禅林庭園」,「廻遊式林泉庭園」,「禅宗的浄土形式池庭」などの様々な表現が使われている.さらに,永保寺庭園が夢窓国師により造られたと一般的にされている.しかし,古文献によりその説を裏づけるに足る明確な論拠が無い.その上に,碧山日録,閑遊漫録,天竜開山夢窓正覚心宗普済国師年譜などの古文献では,夢窓国師が永保寺を開創した時に,池すなわち池庭がすでにあったことが読み取れるため,夢窓国師がその庭園の第一作庭者と考えられず,当初の庭園も禅思想を背景に造られたものではなく,鎌倉時代初期,住宅庭園を持つ道教神仙思想を背景にした池泉舟遊式苑地として造られたものと思われる.
- 千葉大学の論文
- 1997-03-28
著者
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