伝統的庭園の空間構成に関する研究(I) : 『作庭記』における流路を中心に
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概要
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現代に伝わる日本最古の作庭秘伝書である『作庭記』の中から,遣水,池など流路に関する方角禁忌の記述を抽出し,寝殿造庭園が主に行われた平安時代の実際の庭園との関係を調べてみた.その結果,(1)『作庭記』的な空間構成において,東→南→西の流路を「順流」,西→東の流路を「逆流」とする.(2)流路の方角に影響を与えたのは四神説,陰陽五行説である.(3)平安時代の庭園の空間構成に影響を与えたのは,「順流」の概念,立地条件だけではなく,思想的背景の影響もある.(4)『作庭記』的空間構成における「順流」は,四神相応に対する価値観の稀薄化,浄土思想の影響によって変化して行く傾向があった.
- 1992-03-25
著者
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