長期腹膜透析(Continuous ambulatory peritoneal dialysis)患者の腹腔内総水分吸収率(PNFAR)の経時的変化

概要

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長期CAPD患者の増加に従い,限外濾過率(ultrafiltration rate, UFR)が低下する例がみられるが,これは経毛細血管限外濾過率(transcapillary ultrafiltration rate, TCUFR)が低下するためと考えられている。しかし,逆濾過による腹腔総水分吸収率(peritoneal net fluid absorption rate, PNFAR)については不明であり,この経時的変化を調べた。CAPD歴5年以上の患者15名(限外濾過不全を呈していた者7名)について腹膜平衡試験(PET)による腹膜透過能(D/P CRTN), TCUFR, PNFAR, UFRの経時的変化を単回帰分析により検討した。また,4因子間の相関についても検討した。全症例において, TCUFRとPNFARの間には高い正の相関を認めた。濾過不全群ではTCUFRは必ずしも小さくなく, TCUFRに比べてPNFARが相対的に大きいことも濾過不全の一因と考えられた。
北里大学の論文
1998-02-28