末端肥大症における耐糖能異常とインスリン抵抗性の検討

概要

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末端肥大症5例を対象に,耐糖能,内因性インスリン分泌能および末梢組織のインスリン感受性について検討した。対象症例はすべて耐糖能異常が存在し,3例は顕性糖尿病型,2例は境界型であった。インスリン分泌能は2例で低下,3例で過剰反応を示した。末梢組織のインスリン感受性は人工膵島を用いてeuglycemic glucose clampを施行し,ブドウ糖のmetabolic clearance rate (MCR)を指標として評価した。末端肥大症群のMCRは2.56±0.37ml/kg/minで,健常者群(5例)の9.37±0.92に比し有意に低値であった(p<0.001)。1例は下垂体摘出術前後で同様の検討をした。術後血中成長ホルモンは正常化したが,ブドウ糖負荷試験の血糖曲線には変化がなかった。しかし,術前に過剰分泌を示したインスリン分泌は術後に低下し,MCRも2.29ml/kg/minから5.41に増加した。以上の結果より,末端肥大症の耐糖能,内因性インスリン分泌能は症例によりさまざまであるが,その程度にかかわらず末梢組織におけるインスリン感受性は低下していることが示された。
北里大学の論文
1992-02-29