上部消化管出血の臨床的検討 : II.出血性胃潰瘍の分析と治療方針の提唱
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概要
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出血性胃潰瘍を二つの面より分析した。重篤基礎疾患を除く症例について,緊急手術例と保存療法例の比較,及び急性潰瘍と慢性潰瘍の比較を行ない,潰瘍の形態,出血後の動的観察による治療方針を提唱した。(1)保存療法例は薬剤催起性,高位潰瘍に多く,緊急手術例は胃角部に比較的多い。入院時の検査ではHt値が有用であり,24時間以内に1000ml以上の輸血をうけたものの大部分は緊急手術を要した。(2)急性胃潰瘍は胃体部に多く,誘因,重篤基礎疾患をもち,予後不良のものもある。しかし,一旦止血できれば再発もなく,可能な限り保存療法で止血をはかるべきである。一方慢性潰瘍は胃角部に好発し,止血されても高い再発率,再出血率が認められ,大量出血例では早期に手術すべきである。
- 北里大学の論文
- 1981-06-30
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