癒着性イレウスの臨床的検討 : 保存療法の適応と限界

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概要

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1986年4月から3年間に経験した癒着性イレウス106例の臨床的検討ならびに保存療法の適応と限界について述べた。保存療法で改善した症例では,入院後7日以内に自他覚症状が改善または腹部X線で小腸ガスが消失した症例が95%以上を占めていた。また,保存療法群では入院第3病日までのレイウス管からの排液量は少なく,かつ減少傾向を示すのに対し,手術を要した群ではほとんど変化がみられず,排液量,輸液量はともに手術群で多かった。さらに,イレウス管からの小腸造影では完全閉塞は手術群の30%にみられたが,保存療法群にはなく,狭窄は手術群の70%,保存療法群では40%にみられた。以上より保存療法の限界を知る指標として,1)入院1週間以内の臨床症状と腹部単純X線における小腸ガスの推移,2)第3病日までのイレウス管からの排液量,3)イレウス管からの小腸造影所見,の三つが有用である。
北里大学の論文
1990-12-31

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